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中子製造への挑戦
ユニオンパーツ工業中子製造 男たちの挑戦  −第2章−

バリ取り作業
バリ取り作業

 「その頃の夢は若い女性が働ける現場にしたいというものだったと聞きましたが?」

 それは夢でした。造型作業を自動化すれば造型作業者が不要になる。だからバリ取り作業者だけがいれば良い方法を検討していたのです。
その頃の造型機には工程順にボタンを押したりレバーを引いたりという操作をするオペレーターがいたわけですが、自動化すればそれが不要になります。
人を増やすことなく自動造型機でいけるだろうと考えました。

「自動化については分かりましたが、中子の精度などの点ではいかがでしたか?」

 中子で作るエンジンの部品は昔も今もそう変わってはいません。ただ今から考えると、当時は充填の知識が甘かったのは事実です。
うまく充填するかという挑戦の中で、中子というのは金型にエアーと一緒に砂をブローするわけですが、その時にエアーが金型から100%逃げていかなかったら駄目なんです。
そこで、どうやってエアーを抜いてやるかが一番のミソになります。
その頃、一般的には金型の外にスリットをつけたり、ベントホールをしたりなどいろいろやっていました。しかし、スリットをつけると新しいうちはいいが古くなるとよくなかったり、ベントをすると目詰まりがおきてしまったりしました。
そこで、もっと簡単に解決する方法として、金型に穴を開けるという方法が出来てきました。そして、どこに穴をあけたら良いのかがノウハウなんです。
これは、ある程度の経験からの技術の積み重ねです。この金型にはこう吹き込むからこう穴をあければうまく出来るだろうということを、考えながら仕事を進めていきました。
 
「中子業者さんは各社あったと思いますが、技術は競争でしたか?それとも教えあい切磋琢磨してきたのですか?」

 これは仲間の会社とも情報交換をし、うまく出来た方法を真似しあいましたね。

「今はそういう技術は確立しているのですか?」

 はい、そうですね。昔は新しい金型が入るとそれを社内で穴をあけて改造したものですが、今はそういう技術が継承されており、あらかじめ金型に穴をあけてくるようになりました。
お互いに金型が行き来することにより金型屋さんにもそれが出来るようになってきました。
金型はスズキさんからの支給なんですよ。

「昔はそういう技術が固まっていなかったということですね。中子製造の現場から技術を上にあげていった成果と言えますね。」

そうですね。他には当時は今ほど充填という考えがなかったんです。その後完全自動機となりましたが、更にバリ取り作業にロボット導入されるようになり、充填という考えが重要になっていきました。

バリ取り作業者がいるという前提の頃のお話ですが、その頃バリ取り作業者というのはおばちゃん達でした。
今でもそうですが、男性と女性を比較すると女性のほうが手が早いんです。単純作業においては男性は飽きたりして効率が下がるんです。女性は根気よく出来る人が多いと思っています。
ところが、年齢とともに手の早さは落ちてきます。バリ取り作業というのは目で確認してバリを取る作業ですから、視力が落ちると効率が下がります。
本当に一番手が早いのは20代。ただし、中子製造現場は熱い臭い職場ですから、20代の女性はやりたがらないんです。それでも、作業効率の為に若い女性を入れたいという目標がありました。

「良い製品を作る為ですね?」

 はい、良い製品を作る為には、効率よく良い仕事が出来る条件を整えたかったのです。
一つの案として、熱い臭いの環境を変えねばいけないだろうということで、造型は一つの工場でやって、冷えた品物を別の工場に持っていってバリ取りをしたらどうかという考えがあがりました。
しかし、移動コストを考えるとロスが多く、やはり造型したその場でバリ取りが出来なければ駄目だろうということになりました。造型には熱い臭いがどうしてもついてまわります。その解消は、自分だけの力ではどうにもならず、ここまでで若い女性の導入はあきらめました。
低温で焼くなどの技術が欲しかったんです。
そこで、次に何にチャンレンジしたかというと、バリ取り作業者を無くせる方法を考えました。

「中子造型の方法はいろいろある中でシェル中子をしていますが、これを採用しているのはコストを下げることが出来るからですか?」

 日本の中子造型の主流がシェル中子だからです。
熱いシェル中子に対し昭和40年代に常温で出来るコールドボックスという技術が導入されたことがあります。
導入当初は、これがシェル中子に代わるだろうといわれましたが、やはりシェル中子には総合的にかなわなかった。例えば、コールドボックスはシェル中子に対し熱くなく匂いも薄いが、製造工程上有毒ガスを使うことから密閉でやらなくてはならないんです。
シェル中子との一番の違いはシェル中子は砂がサラサラの状態のドライサンド、コールドボックスは濡れた状態のウェットサンドということです。金型にブローした場合どちらが流れが良いかは、当然ドライサンド。コールドボックスで出来る中子は限定されてしまうことになり、オールマイティで出来るシェル中子に勝つことはありませんでした。
日本の風土、気候にもシェル中子の方が合っていたということもあります。

「熱くて臭いというのはどの位のレベルですか?」

 金型は250度から300度に熱せられていて、中子が造型機から出た時はそれに近い温度をしています。冷めてからバリ取りをすればよさそうですが、冷めると固くなってしまいますから、熱い状態でバリ取りをする方が効率が高まります。
入社当時は造型機から手で中子を取り出してバリ取りをしていました。
手袋も軍手を3枚重ね、更にところどころに補強を入れていましたからまるでグローブのようでした。指もまがりにくく支えるだけのような。そんな時代もありました。
臭いというのは、砂にレジンという樹脂が入っているのですが、ホルマリンとアンモニア、フェノールが入っていて、これが混ざり独特の匂いを持っています。臭いです。冷えてしまえばこの臭いは消えてしまいますが・・・。


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